ビジネスインタビューBUSSINESS INTERVIEW
第4回
酒匂 暢彦さん
- プロフィール
- 横浜国立大学経済学部卒業後 日本ビクター(株)入社
同社広島営業所で営業、ビデオ事業部で商品企画、本社宣伝部で宣伝などの業務をへて同社退社。
ソフト会社勤務を経て、1997年(株)クロックワークスを設立、代表取締役就任。 現在に至る
主な配給作品「少林サッカー」「ブレア・ウイッチ・プロジェクト」「アタック・ナンバーハーフ」「ラブストーリー」など
INDEX
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001. 会社を起こしたときの不安感は一切なかった
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桃原
今日、インタビューの前に『ラブストーリー』を観てきたんですが、朝一から立錐の余地なく立ち見でした。ヒットを連発されていますが、映画配給会社を興そうと思われたのはどういうきっかけだったんですか。
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酒匂
もともと私自身がエンターテインメントに関連した仕事をしたい、いわゆるマスコミ志望の学生だったんですよね。テレビ局とか出版社とか広告代理店とか受けまくって落っことされて、で、しょうがなく入ったのが日本ビクターでした。最初は広島に飛ばされて、いわゆるパパママショップといわれる小さい電気屋さん相手の営業でした。2年ほどして、VHSを開発したビデオ事業部というところで商品企画と宣伝の仕事をやって、その後本社の宣伝部に配属となったんです。ただやっぱり、エンターテインメント、もしくはメディアに関係するような仕事をしたいなと思って転職しました。その転職先で、たまたま、映像・映画関係の部署に配属されたんです。でそこに4年半いる間に、今うちにいる役員2人と知り合って、で、なんかあったら一緒にやろうかなんて話をしてたんですが、それが進んでいって97年に会社を作ったんです。
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桃原
今でこそコンテンツビジネスって、大変注目されていますが、その当時そういう勝算があって会社を興されたんですか。
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酒匂
不安感は一切なかったですね。7年前というのはレンタルビデオのビジネスがまだ良かったんですね。割とマーケティングのしやすいビジネスなので、変な上司とか組織とかに阻まれずに、自分たちのマーケティングの手法で正しいことをちゃんとやればなんとかなるだろと思ってました。やはりそれは間違っていなくて、初年度から黒字でしたし、売上げも設立初年度の半期決算で5億円ぐらいあったんですよ。今思えば綱渡りだった局面もたくさんありましたけど。
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桃原
このごろ小さいけれどユニークな作品を上映する中小の独立系配給会社が増えてますよね。そういうところも同じやり方なのですか。
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酒匂
クロックワークスという会社は、最初はレンタルビデオの販売からスタートしたんですけど、自社で配給しているし、自社でビデオも出してるし、自社でDVDもやってるんですよね。だけど、販売しかやらない会社、配給しかやらない会社とかいろいろあるんです。最近は、ビデオとかDVDビジネスも立ち上がってくるに従って、ビデオだけをやる会社も相当たくさんあるんですよ。
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桃原
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002. もう1回セールスするマーケットがある
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桃原
それが、配給の方に舵を取るようになったのは、何か戦略とかあったんですか。
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酒匂
もともと、社員全員、配給志向が強かったんです。映画本来のビジネスモデルを考えると、作る・配給する・ビデオ、DVDを出す、テレビで放映するという流れがあるんで。やっぱり風上から風下までで、特に風上の方に行かないと利益率が高くならないだろうと思っていたのと、やっぱり配給が一番大変だけどやりがいがあるところではあるんです。
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桃原
ということは、配給でいい作品だといった評判が確立されて、その波及効果としてビデオなり、DVDの売上げにつながるわけですね。
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酒匂
そうです。そうです。つまり、配給っていうのはマーケティングの場であり、プロモーションの場でもあるんですよね。今まで、大コケしたとかいう映画はたくさんあるじゃないですか。あれはビジネスチャンスが映画館しかなかったからです。今は、お客さんの側にこれは劇場で観よう、これはレンタルで、これはDVDも買おう、という選択肢があって、あらかじめある程度決めてるわけですね。つまり劇場でダメでも、もう1回セールスするマーケットがあるということです。なおかつ、レンタルショップやセルショップには必ずコンピューターが入っているので、我々が作品を買う前にある程度マーケットのサイズをデータで分析できるんですよ。
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桃原
外れちゃったなという作品ありますか。
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酒匂
ありますね。ただ、データの読みが外れるっていうことだけでなく、創業時一番赤字を生んだ作品は、買った時の為替レートが100円以下だったんです。で、ドル建てですから払う時に120円台だったんですね。それだけで3~4千万円の差が出ましたね。その分丸々赤字だったんですよ。もちろん見込み違いという作品もありますよ。
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桃原
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003. データを判断するトレーニングとか皮膚感覚が必要
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桃原
今、全世界的にコンテンツが非常に不足しているって言われてますよね。競って売れるコンテンツ探しをしてる中でどうやって、これいけるっていうのを嗅ぎ分けていくんですか。
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酒匂
うちの強みは、大きいところと違って、少人数なのでみんなで情報を共有できるっていうことですね。加えて、努めて会社運営的に考えているのは、一人の人間が兼業体制でやることです。たとえば、うちの国際部の古井戸にしても、買い付けだけを10何年やっているわけじゃなくて、前の会社でレンタルビデオの営業をしてますから。そうすると営業の現場で、作品のバリューっていうのがだんだんわかってきますよね。それから彼女は宣伝もやっていたんですよ。雑誌社周りとかテレビ局周りとかしているわけです。そういう体験があるので、買い付けの場に行っても、これはビデオでは何本ぐらい売れるとか、どこの劇場にかかるとかというマーケティングが自分なりにできるんです。そういう判断をしつつ我々に作品の情報をフィードバックしてくるんです。それを受ける我々としても、買い付け先である海外のマーケットに、社員の中から順番で一人ずつ行かせてるし、古井戸が持ってきた作品についてどうかというのを全員で議論するんです。この作品は30万ドルだけどどうなの、40万ドルでもいけるとか全員で判断するようにしています。一人一人がいろいろなスキルを持って、守備も攻撃もやるという体制を作っているんです。それによってマーケティングの精度を高めているわけです。データは大事なんだけど、それを判断するトレーニングとか皮膚感覚が必要なんです。日々トレーニングです、なおかついろんな仕事を兼業することで個々のスキルを上げていくんです。これが大手だと、部署が分かれていて、失敗したりすると責任のなすりあいになったりするわけです。たとえば2対8というように意見が割れて、少数派の2の方の意見で買うこともあります。ただ、そういう時には、少数派の彼らは何故いいかというのを一生懸命説得して、お互い議論に議論を尽くして作品購入を決めるわけです。だから失敗しても成功しても、全員で要因分析しないといけないし、それが次につながるんです。 『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』がわかりやすい例なのでよく話すんですけど、あの作品を買えたのは、古井戸が、ある映画会社の知り合いから試写会の招待状をもらったんです。でその映画会社とは『キューブ』という作品を扱った時に、小さい会社が良くやってくれたと認めてくれて仲良くなった会社だったんですね。でその『キューブ』を紹介してくれたのは、『キューブ』が上映されたトロント映画祭に、そのとき古井戸は行けなかったんですが、ある映画会社の副社長が、トロント映画祭では『キューブ』が良かったよと教えてくれたんですけど、それはよさそうだ、買いに行こうとなって『キューブ』を購入したんです。この話はまだたどっていくと続きもあるんですけど、つまり、わらしべ長者みたいな話なんですね。こういった形で人と人のつながりで情報を入手するということが多いんですよ。ものすごいアナログな部分が大事なわけです。かつ、ベリーベリーウェットです。
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桃原
そのアナログな人間関係を作るには何が大事だと思いますか。
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酒匂
基本的には、嘘をつかないとか、単純にお客さんと飯食いに行って酒飲んでみたいなことです。典型的な例で言うとカンヌ映画祭。外人の方はパーティが好きじゃないですか。毎日朝の3時、4時までパーティやってるんです。うちの買い付けチームは、それに毎日付き合うわけですよ。カンヌっていうのは映画のバイイングの場でもあるんですよね。
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桃原
次に来るのはどんな映画だと思いますか。
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酒匂
ひとつはタイ映画だと言われてるんですよね。タイではCFの制作とかで経験を積んできた人たちが増えてきて、格段に製作コストが安い割にいいものが作れる環境になってきてます。うちでも、この夏に全国公開するアクション映画があるんですけど、それはCGとかワイヤーとか、映像的なテクニカルなものは一切使わず、生身のアクションで勝負してるんです。『マッハ!』っていうんですけど、その作品の話をうちの長男にしたら、それってCGでしょって言うんです。やっぱり子供でさえCGで作られたものに飽きちゃってるんじゃないかな。
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桃原
そういえば中国はどうですか。
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酒匂
中国はねぇ、多分狙ってるのは私だけです(笑)。中国が最大の市場になるのはもう目に見えてるんですよ。けど、こんなに難しいところは多分ないですよ。権利ということには非常に意識の薄い国ですから。一番の問題は海賊版です。アジアでは、権利も全部の国に同時に売らないと次の日から海賊版が出ると言われているぐらいですから。ただ、どうにかできないかなと思ってはいるんですが。韓国はかつて同じような状態だったのに、このままではまずいということに気づいて変わってきましたから。作品の権利を守らないと自国の作品も守れないですからね。
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桃原
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004. あまり無理に規模を拡大する気はない
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桃原
いわゆるメーカーの定番、あるいは、監督や製作会社と専属的な契約とかあるんですか。
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酒匂
定番はあると楽でいいなと思いますけど、難しいですね。同じ監督の作品を常に追っかけているとどこかで絶対失敗するんで。全作ヒットするってなかなかないですからね。それに1,2作ヒットすると作品の値段もどんどん上がってきますが、うちあたりは権利料3億円の作品とかで失敗されたらとんでもないことになりますから。ただ、うちはそういう値段のは追っかけません。今の会社の規模をあまり無理に拡大する気はないんです。
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桃原
お話聞いてますと、ベンチャー企業という勢いのある舞台だからこそ叶えられたやりがいのようなものを感じます。ちまたでベンチャー起業家が取り上げられることも多いですが、こういう現象をどう思います。
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酒匂
ネットバブルの頃は本当に腹立ってましたね。銀行と折衝しても、何回言っても映画ビジネスの構造をわかってくれない人もたくさんいたし、わかってもいざ融資となると難しかったりとかで。 うちは、別にベンチャーっていう意識はないんですけど、ちゃんと実績を出してるところには見向きもしないのに、ただの企画とか将来性っていうところだけではやし立てられているというのは、どうなのかなと当時は見てましたけど。ただ、ベンチャーどうのこうのとかよりも、大企業じゃなければダメだという意識が変わったのはいいと思います。ベンチャーだからマイナスとか、プラスとか先入観を持つのはどうかなと思います。
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桃原
転職や会社設立のとき、ご家族、奥様はどうでいらっしゃったんですか。その時歴史はどう動いたんでしょう。
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酒匂
最初の転職の時も、会社を作る時にも一切反対しなかったです。ちゃんと説明はしましたけど。周りは本当は不安だったかも知れません。それと、彼女は、こうと決めたらギャンブルするタイプだと思いますよ。あの時彼女がへそくりで、数百万ですけど資金を貯めていなかったら会社は作れなかったですよね。
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桃原
映画の字幕スーパーって、限られた文字数の中で、いかにいい言葉をいかに効果的に使うかというセンスが問われると思うんですね。私どもの翻訳、通訳さんの中には、字幕翻訳とかニュース翻訳とかやってみたいと思っている方もたくさんいるんですが、実際にそういう仕事をしていくのにどういうことが大事だと思いますか。
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酒匂
やりにくい人にはちょっと発注できないですね。大家になり過ぎちゃうと、その人が出したものも変えられないわけですよ。だけど言葉だって、いくつもチョイスがあるわけじゃないですか。そういうところで「いいですよ」と、ごく普通にやってもらえると大変やりやすいわけですよ。たとえば、音楽ドキュメンタリー映画で、音楽の知識を持った監修の方からの指示を受け入れられないような人だと、発注できないんですよね。でも結果として変えなくてもいいんです。チームワークでやって、「こういう理由で変えない」と納得させてもらえるなら。
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桃原
そういうところを、うちのコーディネーターなんかは、緩衝役としてやってます。
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酒匂
うまくいかないことって絶対あるんで、そういう時にいかに丁寧に気持ちよく仕事できるかですよね。最終的には人間関係だと思いますよ。
とはいえ、相手のいうことを鵜呑みにすればいいというものではないんで、バランスですよね。
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桃原
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005. 海外展開する時の最短距離をどう考えるかじゃないですかね
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桃原
これからグローバルに国際的に活躍したい、ビジネスしたいと考えている人もいます。そのあたり酒匂さんから、何かアドバイスありますか。
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酒匂
難しいです質問ですね。私は、自分の今置かれた状態で、何が一番近道かということを考えてやってるだけなんで。その一つがロスに事務所を作ったことなんですけど、それは、映画コンテンツビジネスで成功するためには世界に出た方が効率的じゃないかなと思っているんです。絶対的に世界に出なくちゃいけないと思ってたわけではないんです。どんなビジネスにするかにもよりますけど、海外展開する時の最短距離をどう考えるかじゃないですかね。
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桃原
少し酒匂さんの人間的な側面も伺いたいんですけど、ご実家はずいぶんお堅い家ですよね。
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酒匂
私はそれがすごく嫌だったんですよね。九州の田舎で育ったので東京に出たかったし、エンターテインメントの社会にすごく興味があったんですよ。
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桃原
でも、何かそういう環境因子ってあったと思うんですけど。
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酒匂
音楽、セックスピストルズっていうパンクロックですよ。それを聞いた時にガツンと衝撃を受けて。お前ら周りに影響されないで、自分で自分の人生決めろよっていうメッセージなんです。当時中学2,3年だったですけどものすごいインパクトがありましたよね。でももっと自分からチャレンジするということが因子的にはあったと思います。曾お祖父ちゃんがメキシコ行ってすっからかんになって戻ってきた人なんです。だから隔世遺伝なんです、DNA的には。それがパンクで覚醒されたんです(笑)。
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桃原
酒匂さん自身が、息子さんにもグローバルな活躍を期待されているのでしょうか?。
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酒匂
そんなのないですよ。自分が好きなこととかやりたいことを見つけて欲しいというのが一番です。そのためのバックアップは惜しみなくしてあげたいなと思っています。まだ本人の意志は聞いてないけど、できれば、本人が希望して留学してくれるといいなとは思ってます。
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桃原
実際、大変なお仕事をしながらも、少年サッカーのコーチや学童保育クラブの役員をされてますが。
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酒匂
サッカークラブで1回も顔見ないお父さんとか不思議ですよね。だって自分の息子がサッカーやってたら、うまいのか下手なのか、ゴール入れられるのかどうかって見たいじゃないですか。それが、すごく自然なことだと、ぼくは思うんですけどね。ただ、将来的には、自分の子供を自分の会社には入れたくはないんです。自分で自分の好きな仕事を見つけてくれて、少し手伝いをするぐらいが一番理想ですね。
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桃原
お父さんが、子供ともっと関わってくれるためには何が必要だと思います?
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酒匂
お父さん自身のやる気でしょ。帰りが遅いとか言うのはいい訳でしょ。やる気のある人はやるでしょ。男が育児や家事なんてかっこ悪いと思っている人も、まだたくさんいるんですよね。
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桃原
本当に楽しいお話を、本当にありがとうございました。
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桃原