ビジネスインタビューBUSSINESS INTERVIEW
第8回
吉田 智則さん
- プロフィール
- 法政大学卒業後、全日空商事(株)入社。
航空機部品部で航空機部品の購入業務等に従事した後、退職。オーストラリアで2年間、ビジネスカレッジ等で学び、家業である日本酒造りの道へ。
吉田酒造(株)で、昔ながらの製法で手間と時間をかけ、厳選、吟味された原材料を使用し醸された『月山』の味わいは、全国新酒鑑評会で5年連続を含む2桁の金賞受賞歴が物語っています。
吉田酒造(株)HP http://www.e-gassan.co.jp
INDEX
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001. 約180年の歴史をもつ酒造りと島根の食文化の関係
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桃原
吉田さんのお宅は、約180年の歴史を誇る酒造蔵と伺いました。日本の伝統文化の中に育った方ってどんな方なのか興味をひかれました。
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吉田
文化といっても、日本酒業界では文化的なことって薄れてきてもいるのですが・・・。うちでは『月山』という酒を造っています。島根県東部の中山間地に在って、ここは昔から緑豊かな土地なんですよ。戦国時代に山陰地方を統治していた尼子氏が月山富田城を置いた広瀬町という所で、酒名もここからきています。
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桃原
材料にも、当然のことながらこだわりがあるとか。
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吉田
大吟醸は、兵庫県産の酒造好適米では最高峰と言われている「山田錦」という米、純米吟醸・吟醸・純米酒などは、地元島根県産の「神の舞」「五百万石」「佐香錦」等を使っています。仕込みの水は、「不昧(ふまい)流茶道」で最高の名水といわれた「お茶の水井戸」を復元して使用しています。それに、その年ごとの気候に対応するため、やや硬度の高いわき水をブレンドしているんですよ。
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桃原
味的にはどんな狙いがあるのでしょう?
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吉田
お酒の味というと端麗辛口が思い浮かびますが、島根県の酒は芳醇甘口(うまくち)という部類に入ります。お酒はその土地の食文化と切り離せないので。
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桃原
島根の食文化というと?
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吉田
島根の刺身醤油を召し上がっていただくとわかりやすいのですが、たまり醤油っていう非常に濃い醤油なんです。お酒もそれに負けないような味になっていくので、端麗辛口だと薄すぎるんですよ。だから島根ではお酒というと、昔から濃い味なんです。
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桃原
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002. 島根の味そのままで東京でも勝負をしたい
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桃原
じゃあ、新潟のお酒とはかなり違いますね。
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吉田
日本酒に、新潟のお酒のイメージを抱いている方には「味がちょっと濃いね」といわれることもあります。
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桃原
東京などでは、端麗辛口の方が一般的に飲まれているようですが。
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吉田
島根の蔵元でも東京向けの味に変えているところもありますが、それでは地酒の枠を超えているのでやりたくありません。島根の味で打って出たいんですよ。そのために、味の有る酒でも切れをよくするとか工夫しています。それに、端麗辛口だけでいくと焼酎と重なってしまうんです。「いい焼酎を飲むと日本酒の味がする」と言ってらっしゃる方は、たぶん新潟の端麗辛口のイメージで焼酎を飲んでいらっしゃると思うんです。
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桃原
焼酎ブームも続いていますが、今、女性を中心に吟醸、大吟醸もブームになっていますよね。そういう大吟醸などでも、濃い目の甘口というのは造れるものですか。
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吉田
造れます。普通、大吟醸っていうと香りだけとか、味がすっきりしすぎているとかあると思うんですけれど、島根の大吟醸は味と香りのバランスを非常に重視しています。
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桃原
それはおいしそうですね。大吟醸って香りにより過ぎるきらいがあるようなので・・・。
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吉田
一時期、すごく香りの高い酒がはやったんですよ。本醸造を飲んでも吟醸の香りがするような。そういうものはお酒単体、例えば試飲などで飲むと「美味しいね」って言われると思うんですけれど、決して料理に合うようなものではないんですよ。日本酒って単体で飲むものじゃなく、間違いなく横には料理がある。
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桃原
そうですね。では料理に合う日本酒という意味では力を置いているのは?
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吉田
純米と純米吟醸です。
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桃原
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003. 日本酒の美味しさを日本料理と共に世界へも
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桃原
『月山』は海外へも市場を伸ばしていますよね。
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吉田
ロサンジェルス、ボストン、ニューヨーク、香港、台湾・・・などですが、まだそれほど多くありません。アメリカが伸びつつあって、台湾がどうなるかというところですね。
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桃原
海外では、どんな味が人気でしょう? やはり大吟醸かしら。
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吉田
そうですね。海外でもまず大吟醸から売り込んでいこうっていうのがあるんです。まず、美味しいって思わせないと後が続かないですから。一番いいお酒を飲んでもらって、日本酒ってこんなに美味しいものだと。
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桃原
感触はどうでしたか?
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吉田
去年の試飲会では大吟醸から種類をそろえたのですが好評でした。「ワイン、ライスワインだ!」という反応ですね。フルーティさが好まれるようで、「これ何のフルーツ使っているの?」なんて聞かれます。
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桃原
価格的にはどうなんでしょう?
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吉田
送料や税金もかかるので、アメリカで2、3倍という感じでしょうか。高級品ですよ。台湾でも高級なところを狙っています。今まで海外で日本酒というと、月桂冠のような大衆向けがメインでしたが、それとは違う路線です。
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桃原
アメリカではカリフォルニアの長粒種米を使った、値段も味もほどほどな日本酒がありますけど、それとは違ったカテゴリーというわけですね。
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吉田
違うものだっていうことを、はっきりさせたいですね。
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桃原
マーケット的にはいかがですか?
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吉田
今は寿司関係ですね。この前、ドイツに視察に行ったのですが、やっぱりソーセージでは日本酒は飲みたくない(笑)。以前、どこかの蔵の若い人が日本酒をリュックに入れて、フランスの三ツ星レストランに売り込みに行った話を新聞で読みましたが、やはりフランス料理ではワインには絶対かなわないと思うんです。
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桃原
やはり日本酒には日本食がいいと。
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吉田
今、日本食は世界各国どこにでもありますし、健康食としても人気がありますから。日本食以外にも開拓していくべきだとは思うんですけれど、基本的にはそこで育った酒には勝てないですね。
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桃原
去年2年ぶりにパリに行って、本格的な日本食レストランが増えていたのに驚きました。お店のテイストも若い人が来る感じで、日本人よりフランス人の方が圧倒的に多かったのが印象的でした。だけどでてくるお酒が、大衆向けだったりしたので、販売ルートさえ確立すればマーケットとしてありそうですね。
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吉田
そう思っています。
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桃原
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004. 海外からもう一度日本酒の基本を見つめ直す
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桃原
桃原 先ほど、台湾を狙っているというお話でしたが、経済が活性化している中国はどうでしょう。
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吉田
中国ですか。台湾の人も言葉が通じる自分たちでさえ怖いから、直接ビジネスするのは絶対すすめないっていうんですよ。でも、その台湾のパートナーが中国に多少出していきたいとは、思っているようです。
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桃原
中国ってやはりそうなんですか。
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吉田
今は特にそうらしいですね。政治の問題もあって、日本人を全く信用していないそうです。
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桃原
ある意味、ラブ&ヘイトですよね。日本製品は大好きなんですから。
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吉田
そうなんですよね。海外ではアジア人同士としてすごく仲良くなるんですけど、国同士のからみでは微妙な話がでてきます。
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桃原
今後の展開として、その国の食文化を生かした日本酒を造るということはお考えですか?
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吉田
そこまでマーケットがないんです。例えば、お酒を仕込むにしても何リッターと仕込むわけですから。確かに大きな蔵は、海外志向のお酒を造っているところもあります。すごいお蔵さんには、1年中海外を歩いていらっしゃる方もいますし。
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桃原
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005. うちは蔵自体が小さいので。
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桃原
それよりは日本酒の伝統を守り、育てていきながら、海外にも日本酒の文化を広げていこうということでしょうか。
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吉田
それもありますが、日本酒の業界全体でいうと、日本の中で日本酒の地位が薄れつつあるから、海外に出て行って、日本人に対しても日本酒を外から見つめなおしてもらおうっていう意味合いもあります。海外の方が日本酒ってこういういいところがある、って言う中で、自分たちが気が付かないようなこと、「あ、そうだ、そういうことだった」という基本に立ち返るためというのもありますね。
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桃原
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006. 機械工学から日本酒の道へ
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桃原
吉田さんは、家業である『月山』の伝統を守る道を選びながらも、海外へ目を向けていらっしゃるわけですが、きっかけのようなものはあるんですか?
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吉田
実は大学では、機械工学を勉強しまして、鳥人間コンテストにも出たりしたんですが(笑)。
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桃原
出た? 飛びましたか?
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吉田
いやあ、落ちました。後々よく計算してみたら、人間が何もつけずにそのまま10mの台から飛んだほうが飛ぶんですよ(笑)。20mくらいはいくはずなんです。
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桃原
機械工学では何を?
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吉田
飛行機です。でも最終的には蔵に戻るっていうのがあったので、飛行機に関係しながら商社的なこともできればと、全日空商事に入社して、飛行機を売ったりしました。
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桃原
どのくらいいらっしゃったんですか?
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吉田
3年です。一つの仕事は3年はしないと、とよく聞いていたので。
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桃原
商社の仕事が、海外への進出に役立っているんですね。
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吉田
英語ですね。実は入社当時は英語に自信がなくて。特に英語が必要な部署で、それこそボーイング社との仕事もしていたので。まわりはみんなペラペラだし、海外から電話がかかってくると「吉田が英語しゃべるぞ」ってみんなが集まってくるんですよ(笑)。これが恥ずかしくて。
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桃原
英語は勉強されたんですか?
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吉田
してなかったです。全く。飛行機は知っているけれど、しゃべれなかったんですよ。その後、3年ほどオーストラリアに住んだりしてワイナリーを回ったりもしました。
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桃原
では、その後、家業を継ごうと? 家業を継ぐことは決めていたんですか?
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吉田
反発はありました。古い体質が残る業界なので、こんな危なっかしいところでやっていられないと思っていましたし(笑)。でも、自分では「いやだ」と思いつつ、でもどこかで「やらないといけない」とも思っていました。
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桃原
今は、抵抗はないんですか。
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吉田
はい。2年前に帰ってきて何も知らなかったので、去年3ヶ月、広島の醸造試験場というところで酒造りのさわりをやらせてもらって、今年、初めて蔵に入って手伝いました。
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桃原
実際に、お仕事を始められていかがでしたか?
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吉田
『月山』をいかにしてみんなに飲ませるかって考えると非常にやりがいはありますね。歴史があるから潰しちゃいけないとか、180年の伝統があるから次に繋げないと、というのはまったくないですが、本当の地酒を売りたいんです。地元で愛されて、地元に密着している地酒を東京や世界に知ってもらいたいと思っています。
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桃原
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007. ネット時代の新しいビジネス形式を模索
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桃原
『月山』を知ってもらうためにはインターネットも活用してらっしゃるんですか?
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吉田
先ほどもお話しましたが古い体質の業界なので、ネットで大々的にお酒を売る、と言うやり方はまだ正直難しいです。なので、インターネットでは商品の紹介や蔵の紹介に重点を置いています。
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桃原
問屋さんが強い業界なんですね。
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吉田
そうですね。直接オーダーがきて直送するというのも徐々に増えてきてはいますけど。あと、インターネットで直接販売するというのは『月山』という名前と味を知ってもらっていて、知名度がある程度有ると言う前提で初めて成り立つものなのだと思います。今の段階ではまず、飲んで頂いて、そして『月山』を広く知ってもらうことが先決なんです。
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桃原
国内はともかく海外はどうでしょう。オンデマンドのCMで「どこの酒がきれている、ネットで注文を」みたいなものもありましたが。
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吉田
実際にはまだ難しいですね。今はまだインポーターに絡んでもらっています。なかなか「はい、オーダーきました。じゃあすぐ出しましょう」という話にはなっていかないですね。それも今後の課題です。
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桃原
そうやって、世界に目を向けて新しいことをしようとしている人たちも増えていそうですね。蔵元でも世代交代って進んでいるのでしょうか。
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吉田
ええ。僕は若い蔵元の会みたいなものを作りたいんです。そして業界をもっと勉強したい。海外に売り込むためだけじゃなく、日本国内でも協力できるようにして、島根の酒の美味しさをもっと多くの人に知ってもらいたいんです。
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桃原
島根の地酒のおいしさを守って、日本酒を世界に広げるためにも、これからのご活躍を応援します。
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桃原