ビジネスインタビューBUSSINESS INTERVIEW
第9回
近藤 祐司さん
- プロフィール
- 1974年生まれ。京都府出身。
幼少期をグアム島で、高校時代をアメリカ・サンディエゴで過ごす。高校からアメリカンフットボールを始め、立命館大学ではDB(ディフェンシブ・バック)として活躍。最優秀守備賞を獲得し、日本代表にも選ばれた。現在、英語力とアスリートとしての経験を生かして、日本で唯一のスポーツ専門のアンカーマンとして、スポーツ実況や、海外リポーターとして活躍中。
近藤祐司 HP http://www.ugk-sports.com
INDEX
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001. 日本人メジャーリーガーの活躍の秘訣
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桃原
近藤さんは、スポーツ専門のアンカーマンとしてMLBの実況をしてらっしゃいますけれど、今年の日本人メジャーリーガーの調子はどうでしょう?
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近藤
ヤンキースの松井秀喜選手は、相変わらず調子を伸ばしていますよ。チーム自体もいいと思います。プレーオフには10年連続ででているし。でもヤンキースはワールドチャンピオンにならないとだめという世界ですから。それと、ホワイトソックスの井口資仁選手が1年目にしては考えられない対応の早さを見せています。
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桃原
他の人とは違ったことをしていたのかしら?
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近藤
井口選手は日本にいた時から海外への意識があったんです。たとえばスカパー!で毎日メジャーの試合を見て、どういうものかを研究していました。ストライクゾーンが外に広いメジャーに対応するために、日本でもわざと外角のボールに手を出したり。そんな準備をしていたから、1年目からすんなり入っていけたんでしょうね。
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桃原
福岡にいながらどれくらい前から、メジャーを意識していたのでしょうか。
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近藤
2年くらい前かららしいですよ。日本ではホームランを打てるバッターだったのですが、向こうではつなぐバッティングを意識していますね。それもメジャー対応ですね。今年は新人王も狙えるくらいですから。
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桃原
イチロー選手はどうですか?
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近藤
マリナーズのチーム状態も良くないために、去年に比べてモチベーションが下がっているように見えます。昨年はメジャー新記録をクリアしたから、今度はチームとして結果をだしたいと思っているのでしょうけれど。
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桃原
マリナーズが弱いのはチーム運営の悪さということでしょうか?
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近藤
オフシーズンに補強にも力を入れたはずなんですが、それがまだうまくかみ合わず、チーム力になっていない感じがします。
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桃原
メッツの松井稼頭央選手はどうでしょう。
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近藤
怪我にも泣かされて苦しんでいるようです。NYでは、結果をすぐにださないと、かわいそうなくらいのブーイングがこだまするんです。
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桃原
プレッシャーがすごいんですね。
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近藤
打席に立つ前に、ブーと地元のファンにやられますからね。
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桃原
アウエー状態だ。
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近藤
まさにそうです。いかに結果をだすか。結果がでたらそれが声援に変わるんですが、まだそこまではいっていないんです。
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桃原
不運もありますよね。あと語学の問題もあるのかしら?
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近藤
コミュニケーションの問題は確かにあると思いますよね。ローズのように日本で長く活躍している選手を見ても、絶対日本語を勉強しているように、その国に対応するには、通訳などの人を介さずに自分の言葉で話せることが大切なんです。プロの選手でも成功する人は、何が必要なのか考えています。イチロー選手は完璧主義者なんで、マスコミの前でこそ話しませんが、チームメイトとは、普通に英語でしゃべっていますよ。長く続けようと思う人は、しゃべれるようになっていますね。
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桃原
なるほど、示唆に富んでいますね。私も10歳の息子には、スポーツだけできても、語学ができないとダメなんだと、よくはっぱをかけるネタにしているんですけど、当っていました(笑)。
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桃原
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002. 今後のメジャーの大きな課題、ステロイド問題が浮上
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桃原
プロからの日本人の進出はすごいですけれど、ボトムアップとしての日本のレベルは、まだこれからという気がするのですが。日本の高校生レベルのスポーツは、教育としての側面が強いからBe fairなんていっていますけれど、実際プロを目指すのは気持ちが違いますよね。ハングリー精神なのかしら。
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近藤
それでいうと、アメリカで大問題になっているのがステロイドです。アメリカの高校生の50~100万人が使っているといわれています。
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桃原
何のために?
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近藤
ドラフトされるために身体を大きくしようとして、低年齢化が進んでしまっているんです。最近まで、ネットで簡単に手に入ったようです。スーパースターの使っているものは、尿にもでないほど開発も進んでいるんです。もともとアメリカはサプリメント文化が発達しています。栄養を食べ物で摂るのではなくて、サプリメントやプロテインで摂る。それといっしょの感覚だったんですよ。
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桃原
危険だとわかっていてなぜ使うのでしょう?
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近藤
メジャーリーグでもこれまであまりにも、かまわなすぎたんですよね。試合がダイナミックになれば、お客も集まるわけですから。それが若年齢化してきて、高校生から身体が大きくてパワーがなければメジャーに行けないとなってしまった。でも、いけないと思って、摂取を止めるとホルモンのバランスがくずれて、鬱になったりもするし、自殺者もでてしまった。そういうことが表沙汰になってきて、オリンピックと同じくらい厳しいドーピング検査をしていこうとなったのが今年からなんです。(まだそこまでには至っていない。)
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桃原
それじゃあ、それが問題になった影響は大きかったのでは。
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近藤
もちろんステロイド使用疑惑をかけられた選手のホームランの数も激減していますよ。
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桃原
成功への鍵なわけですから、勝てばいいという気持ちになっていってしまったのかもしれませんね。そういう身体を壊してでも成功していこうという中で、よく日本人選手ががんばっていますよね。
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近藤
日本人の選手は、誇りに思えるほどがんばっていますよ。そんな状況の中でも実績をあげていたということは、今後ステロイドの規制が厳しくなったら、余計に期待が高まりますよ。平等な土俵で戦えるわけですから。
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桃原
これは、日本人選手にとってはチャンスでもある、と。
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近藤
ステロイドのことが厳しくなったおかげで、もっと日本人がメジャーへ行けるようになると思いますよ。体格の差が今ほどでてこなくなる。パワーで劣っているということが、だいぶ軽減されてくると思います。
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桃原
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003. 近藤流アンカーマンの役割
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桃原
アンカーマンとして、日頃から意識していることはありますか?
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近藤
しっかり取材をして、勉強をすることです。僕は局アナではないので、アナウンサーである前に記者としてしっかり取材が出来るようになりたいです。それと、語学ができるということもあるので、特に海外のスポーツをもっと深く伝えたい、というのがありますね。プレーがすごいのは当たり前ですが、そこにいくまでのドラマや日頃の取り組み、人との付き合い方などを調べて、伝えていくことによって、次にそういう選手を目指す人の手助けになりたいんです。例えば、イチロー選手はバットを絶対に地面に置かないんですよ。バットにわずかであっても水が染みると、打撃に影響を与えるから。ああいった選手は、僕らが考えないことまで実践している。人が考えないようなことでも、ポリシーを持ってやり続けているんです。松井秀喜選手も必ず最初の打席に入る前に、審判に挨拶するんです。そんな習慣のないアメリカに行ってもそれを続けているんです。そういう見えない取り組みを伝えていきたい。そういうことが青少年の健全育成にもつながるのかな、と。
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桃原
それを伝えるために、コーチとかの道を選ぶ人もいるけれど、近藤さんの場合はメディアを使う道を選ばれた。日頃の番組の中で特に心がけていることは?
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近藤
過去の偉大な功績をしっかりと放送で伝えるということ。今活躍している選手は、過去に活躍した選手がいるからさらに輝いてみえるのだと思います。ですから、今の選手だけでなく過去の偉大な選手もリスペクトすることを忘れないようにしています。それと、放送では堅くなりすぎず楽しい雰囲気でスポーツを伝えたいと思っています。その為には、解説者の方とよくコミュニケーションをとって親しい友人になることが大切です。 解説者の方とあうんの呼吸で放送が出来ると、きっと放送も楽しい雰囲気が伝わると思います。 スカパー!は試合を最初から最後まで放送するので余計に二人の関係が放送に伝わってくると思います。
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桃原
アメリカの実況放送とはどう違いますか。
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近藤
日本のほうが礼儀正しい放送だと思います。アメリカはもっとブロークンというか・・・、実況と解説は友達だということが二人のやりとりから伝わるんです。アメリカでは実況者も50代でも殿堂入りするほど、スポーツを伝える文化が認められています。スポーツを発展させるのもブロードキャスターの役割だと思っています。
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桃原
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004. 解説者から実況へ好きだから極めたい
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桃原
どうやって今のポジションについたんでしょう?
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近藤
もともとはアメフトの解説者だったんですよ。大学卒業して、兼松という商社に入ったんです。でもあまりにも自分が描いていたイメージとかけ離れていたんで、8ヶ月くらいでやめたんです(笑)。
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桃原
商社マンを(笑)。
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近藤
当時、丁度インターネットが普及し始めた時期で、不況とも重なって、海外出張に行く機会が激減してしまいました。それで違うな、と思ってすぐやめて(笑)。もう一度、アメフトでプロを目指そうと思って、母校の立命館でコーチをしながらトレーニングをしていました。でも、プロテスト直前にひざを痛めてしまって、自分はNFL選手になれる器ではないと悟り、次にラジオのDJになろうと思ったんです。
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桃原
は? いきなりですか?
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近藤
ラジオはいつも聞いていて、好きだったから(笑)。で、ラジオの勉強を始めたと同時に、解説者をやってくれないかという話がきたんです。
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桃原
そこが普通はこないですよね。でも、日本代表に選ばれるような選手だったんですものね。
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近藤
縁ですね。そこでやった仕事にたいしておもしろかったよ、というリアクションがきたんです。それで、もっと極めたいなと思ったところからスタートしました。それが98年のことです。
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桃原
そのときは、まだ京都にいらした。
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近藤
そのとき通訳の仕事もしていて、そこで知り合った人が東京でやってみないかと。それでスカパー!でのNFLの解説が始まりました。そこではTBSにいらした大ベテランの石川顕さんが実況で、僕が解説。そのときに、「実況いいな」と思ったんです。それで石川さんに一から十どころか百まですべて指南を受けて、2000年から実況ができるようになりました。
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桃原
私もスポーツイベントの通訳にかかわっていましたが、アナウンサーの方って、すごい量の資料を事前に読むんですよね。たったひとこと、ふたことのために努力、準備している。もちろんやってない人もいましたけどね(笑)。
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近藤
僕なんか、他の先輩方に比べればまだまだです。ただ語学をやっていたので、海外の情報はネットでダイレクトにすごい量がとれる。これは強味です。昔と違って、語学さえできれば情報収集は可能なんです。そういう時代にも恵まれましたね。
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桃原
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005. これからのスポーツアンカーマンを目指す人へ
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桃原
今後、英語を使って仕事をしたいという人やアンカーマンを目指したいという人へのアドバイスをいただきたいんですが。
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近藤
英語で話しかけるようにすることと、普段から読むことかな。あとは辞書をよくひくこと。知らない単語はそのままにしておかない。あとは、取材で声をかけられるかどうかの度胸の問題がありますね。
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桃原
それはありますね。
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近藤
初対面の人に話し掛けるという意味では、ナンパみたいなものですから(笑)。記者会見でも最初に手をあげられるか。その勇気。
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桃原
日本人はあがらないんですよね。
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近藤
される側からみると、最初にあげた人間というのはイメージが強く残るんですよ。
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桃原
女性にはこの職業はどうでしょう。
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近藤
女性には女性ならではの感性がありますし、いいと思いますよ。女性だから聞きだせることもいっぱいあると思いますよ。男が相手だと構えてしまう選手が、ジェントルマンになることもあるだろうし、聞く内容の視点が違うだろうし。女性でも男性でも大切なのは、そのスポーツを良く勉強するということですね。
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桃原
アメリカでは女性のスポーツアンカーマンはいっぱいいるんですか。
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近藤
いっぱいいますね。でもNFLのほうが多いかな。野球はそんなにいないかな。理由はわからないんですが。
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桃原
選手と親しくなるために心がけていることはあります?
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近藤
まず、あいさつをして、名前をいって、会話をしているときは、目をみてしゃべること。あたり前のことですけれど、大切だと思います。
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桃原
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006. 極めようと思えば何でもできる、有言実行の高校時代
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桃原
英語は小さい頃からですよね。
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近藤
父の仕事の関係で幼稚園から小学校にかけてグアムに住んでいたんです。
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桃原
そのときの経験で影響を受けたところは?
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近藤
人としゃべるときに、先輩後輩とか考えないことかな(笑)。
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桃原
日本に帰ってきて違和感はありました?
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近藤
高学年で帰ってきたので、そこからは順応しましたし、中学3年間は過酷な先輩後輩関係も経験しました(笑)。そして英語の能力が落ちてきた時に、またアメリカに行きました。
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桃原
サンディエゴの高校ですよね。どうして?
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近藤
アメフトがしたくて(笑)。高校受験で日本のアメフト部がある高校を受験したんですが、落ちちゃったんです。
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桃原
それでいきなりアメリカへ。どうやって学校を見つけたんですか。
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近藤
どうしてもやりたくて、自分で探しました。文部省の派遣という形でアメリカの高校に行けば、単位が認定されるというのを知って、テストを受けて行きました。
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桃原
それだけの手続きを自分でやったんですか?
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近藤
親が自分でやるんだったらいいというので。
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桃原
そこまでしたアメフトのよさってなんですか?
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近藤
男の本能をかきたてる、かな(笑)。狩猟本能かな。一瞬の爆発のためにずっとトレーニングをしますから。
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桃原
高校生活はどうでした?
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近藤
ホームステイで寂しかったですけど、他の国の交換留学生もいましたし。ノルウェーとか、ヨーロッパの人たちもみんな英語がしゃべれるから。
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桃原
それで大学は日本ですよね。
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近藤
親から日本で教育を受けて欲しいというのもあったし、バブルの時代でしたし、日本の企業に就職したかったのもありました。大学はTOEICの成績で一芸入学。そしてアメフト三昧(笑)。日本一にもなりましたし、うまくなりたいと思って本気で取り組む、志の高い人との間で得た人脈が、今の僕の支えになりましたね。
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桃原
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007. 経験から考える子どもたちに伝えたいこと
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桃原
3歳と5歳のお子さんもいらっしゃることで、お子さんにご自分の経験を伝えたいということはありますか。
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近藤
伝えたいですけど、無理やり押し付けたいということはないですね。僕の教育方針は「いただきます」「ごちそうさま」「ありがとう」「ごめんなさい」がきちんといえること。それさえいえれば、世界のどこでも生きていけると思っていますから(笑)。
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桃原
英語教育はいかがです? ご自身は小さい頃から英語に触れていましたけど、近藤さんは日本語もきちんとされていますね。
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近藤
うちは厳しかったですから。小さい頃も家では日本語をきちんとしゃべりなさいといわれ続けました。
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桃原
私のまわりでも、いろいろな環境の方がいらして、英語がしゃべれても日本語がカタコトになってしまったり。今、子どもの英語教育って試行錯誤の時代だと思うのですが。
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近藤
うちでは、特に子どもたちには教えていません。日本人で日本で暮らしているのなら、まず日本語をちゃんとしゃべるのが絶対条件だと思います。母国語の基礎を作ってから外国語を学ぶべきではないでしょうか。伝統や文化は日本語でしか学べないことがいっぱいあると思います。ただ仕事柄、いつも英語のテレビがついているんですよ。中継やスポーツニュースも英語で聞いているし、自然と耳に入ってきているとは思います。それだけでも次のステップが来た時に、聞いていた経験が役に立つと思います。
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桃原
将来的には中身があることがしゃべれるかどうかのほうが大切ですよね。今後スポーツを通じて、子供たちにどんなメッセージを発信していきたいですか。
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近藤
スポーツを上手になることも大切ですが、面白さや歴史、それを成し遂げた見えない努力の大切さを伝えていきたいです。アメリカのスポーツが発展したのは何故かということを考えると、過去の歴史をとても大切にしているからもあるんです。新しい記録が生まれたら、前は誰が何年に出したかをみんな知っている。過去の偉業も賞賛することによって、そんな風になりたいと思う子供たちがでてくるはずなんです。そういう気持ちをこれからもずっと伝えていきたいですね。
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桃原